「実家を売るなら測量が必要です」と不動産屋に言われたら。なぜ費用をかけて測るの?

長年空き家になっていたご実家や、使っていない土地。そろそろ手放そうと不動産屋さんに相談へ行き、いざ売却の手続きを進めようとした時、担当者からこう言われませんでしたか?

「売却にあたって、まずは土地家屋調査士に『確定測量(かくていそくりょう)』をお願いする必要があります。
数十万円ほどの費用がかかります。

「えっ、家を売るだけなのになぜそんなにお金がかかるの?」
「登記簿に何坪って書いてあるんだから、その通りに売ればいいじゃないか!」

初めて不動産を売却する方にとって、この「測量費用の壁」は非常に納得がいかないポイントだと思います。

しかし、実は現在の不動産取引において、事前に土地を正確に測り直し、お隣さんとの境界をハッキリさせておくこと(=確定測量)は、もはや常識であり、必須の条件となっています。

この記事では、土地と境界のプロフェッショナルである「土地家屋調査士」が、なぜ費用をかけてまで測量が必要なのか、放置して売るとどんな恐ろしいトラブルが待っているのかを、分かりやすく解説します。

理由①:登記簿の面積は「当てにならない」ことが多い!

多くの方が誤解されているのが、「法務局の登記簿に載っている面積(公簿面積)は、国が管理しているものだから100%正確なはずだ」という思い込みです。

実は、松山市内をはじめ、日本全国の多くの土地において、登記簿に記載されている面積と、実際の土地の面積(実測面積)は一致していません。

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歴史が関係?「登記簿の面積」がズレる理由

現在の法務局に備え付けられている地図(公図)や登記簿の面積のベースは、なんと明治時代の「地租改正(ちそかいせい)」の時に作られたデータがそのまま引き継がれているケースが非常に多いのです。

当時は、税金を安くするためにわざと面積を小さく申告したり、測量技術自体が未熟で縄を使ってアバウトに測っていたりしました。
そのため、「登記簿には100㎡と書いてあるのに、最新の機械で正確に測り直してみたら実は150㎡あった(あるいは80㎡しかなかった)」ということが当たり前のように起こります。

もし、あなたが「登記簿には100㎡と書いてあるから」とそのまま売却し、後になって買主が測量した結果「80㎡しかなかったぞ!騙したな!お金を返せ!」と訴えられたらどうなるでしょう。

このような「面積の不足による損害賠償トラブル」を防ぐために、現代の不動産取引では、事前に最新の技術で正確な面積を測り直す「実測売買(じっそくばいばい)」が基本となっているのです。

理由②:目に見えない「境界トラブル」という時限爆弾

測量が必要なもう一つの、そして最大の理由が「お隣との境界線(境目)をハッキリさせるため」です。

ご実家の土地を思い浮かべてみてください。「ここからここまでがうちの土地だ」と、明確な目印(コンクリートの杭など)はすべて揃っていますか?

🤔 こんな曖昧な記憶はありませんか?

  • 「おじいちゃんが、あの柿の木までがうちの土地だと言っていた」
  • 「お隣のブロック塀の『内側』が境界なのか『外側』なのか、実はよく知らない」
  • 「昔は杭があった気がするけれど、土に埋もれたか、工事で無くなってしまった」

古い住宅街などでは、こうした曖昧な状態の土地が非常に多く存在します。
あなたとお隣さんの間では「昔からの付き合いだし、だいたいこの辺でいいよね」と口約束で円満に過ごせていたとしても、土地を全くの第三者(新しい買主)に売却するとなれば話は別です。

また、杭が残っていたとしても、その杭が正しい位置に設置されているかどうか分かりません。
過去の資料を精査し、現地の測量データと照らし合わせて初めて杭の位置が正確かどうか判断することができます。

⚠️ 曖昧なまま売却する恐ろしいリスク

境界が曖昧なまま土地を売却してしまうと、新しく引っ越してきた買主とお隣さんの間で「ブロック塀が越境している!」「いや、そこはうちの土地だ!」と大トラブルに発展する可能性があります。

その際、買主から「境界がハッキリしていない欠陥のある土地を売られた!」として、売主であるあなたに対して契約解除や損害賠償を求められるという、恐ろしい事態になりかねません。

「確定測量」は、ただ長さを測るだけではありません

「じゃあ、自分でメジャーを持ってきて測ったり、安い測量会社にパパッと測ってもらえばいいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、売買に必要な「確定測量」は、ただ長さを測って図面を描くだけの作業ではありません。

私たち土地家屋調査士が行う「確定測量」の最も重要でハードな仕事は、
「お隣さん全員(隣接地の所有者や、道路を管理する市役所、さらに松山市であれば土地改良区の区長など)に現地へ集まってもらい、『ここが境界線ですね』と合意をもらい、全員から境界確認書)に印鑑を頂戴すること」なのです。

1

徹底的な資料調査

法務局や役所に眠る過去の古い図面をすべてかき集め、本来の境界線がどこにあるのかを法的な根拠に基づいて推理します。

2

お隣さんとの立会い・交渉

お隣さん全員にお声がけし、集めた資料や測量データをもとに「専門家の見地から、ここが境界になります」と客観的に説明し、納得していただきます。

3

新しい境界杭の設置と図面作成

全員の合意が得られた場所に、半永久的に残るコンクリート杭などを打ち込み、誰が見ても分かる「確定測量図」を作成します。

この「お隣さんとの合意形成」は、時に利害が衝突し、非常にデリケートな交渉になることもあります。
だからこそ、測量機器を扱うだけでなく、不動産の法律のプロフェッショナルである「土地家屋調査士」という国家資格者が、あなたの代理人として間に入り、責任を持ってまとめる必要があるのです。

 

確定測量は、高く・早く売るための「品質保証書」

確かに、確定測量には数十万円という決して安くない費用と、数ヶ月の期間がかかります。「もったいないな」と感じるお気持ちは痛いほど分かります。

しかし、視点を変えてみてください。
境界が確定しておらず、実際の面積も分からない土地は、買主から見れば「トラブルの種が埋まっているかもしれない不安な土地」です。
当然、購入をためらったり、「リスクがある分、数百万円値引きしてくれ」と足元を見られたりする原因になります。(実際、最近では確定測量が済んでいないとローン審査を通さない銀行も増えています)。

逆に、土地家屋調査士の手によって「隣との境界がミリ単位でハッキリしており、近隣トラブルのリスクがゼロの土地」になればどうでしょう。

買主は安心して即決でき、ハウスメーカーもすぐに家の設計に取り掛かることができます。
結果として、測量費用を支払ったとしても、それ以上に高く、スムーズに、何より売却後の不安(損害賠償リスク)を一切抱えずに売り抜くことができるのです。

つまり、確定測量費用は単なる出費ではなく、ご自身の大切な不動産を商品として磨き上げるための「安全と信頼の品質保証書を買うための投資」だと言えます。

売却前の測量・境界のご相談はお早めに!

不動産屋さんに「測量が必要です」と言われたら、それは「あなたの土地を安全に、一番良い条件で売るための準備を始めましょう」という合図です。

確定測量は、お隣さんとのスケジュール調整や役所での手続きが必要なため、ご依頼いただいてから完了するまでに数ヶ月の期間を要します。
売却の契約時期が迫ってから慌てて依頼すると、取引のスケジュールに間に合わなくなってしまう恐れがあります。

愛媛県松山市を中心に業務を行う「KEY測量登記事務所」では、豊富な経験と最新の測量技術(ドローン等)を駆使し、売主様の大切な資産の価値を最大限に高めるための「確定測量」をスピーディかつ丁寧にサポートいたします。

「実家を売ることになったけれど、どこに頼めばいいか分からない」「自分の土地の測量費用がどれくらいかかるのか、まずは見積もりが欲しい」という方は、ぜひお早めに当事務所の無料相談をご利用ください!