ドローンを買ったらまず確認!「航空法違反」にならないための基礎知識

近年、カメラ性能が向上し、価格も手頃になったことで、個人でも簡単に高機能なドローンを購入できるようになりました。
旅行先での美しい空撮や、SNS用の動画撮影、あるいは副業として屋根点検ビジネスを始めようと購入された方も多いでしょう。

しかし、箱から出してバッテリーを充電し、「さあ、まずは自宅の庭でテスト飛行だ!」「近所の広い河川敷で飛ばしてみよう!」とワクワクしている方に、行政書士としてどうしてもお伝えしなければならない警告があります。

そのドローン、そのまま飛ばすと「犯罪(航空法違反)」になるかもしれません。

「自分のお金で買ったおもちゃだし、自分の家の敷地の上ならいいでしょ?」と思われるかもしれません。
しかし、現在の日本の空のルールは皆様が想像している以上に厳格です。「法律を知らなかった」という言い訳は一切通用せず、実際に書類送検されるケースが後を絶ちません。

この記事では、実務でドローン測量を行っている行政書士・土地家屋調査士が、ドローン初心者が絶対に押さえておくべき規制の内容を、分かりやすく解説します。

第1章:あなたのドローンは「おもちゃ」?「航空機」?

まず最初に確認すべきは、購入したドローンが法律上どう扱われるかです。
航空法では、ドローンを「重さ(本体+バッテリー)」によって明確に2つに分類しています。

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重量「100g未満」
= おもちゃ(模型航空機)
手のひらサイズのトイドローンなど。航空法上の厳しい規制は大部分が免除され、比較的自由に飛ばせます。(※自治体の条例等のルールは守る必要があります)
🚁
重量「100g以上」
= 無人航空機(規制対象!)
DJIのMiniシリーズなど、市販の空撮ドローンのほぼ全てが該当。実物の飛行機と同じく、航空法の厳しいルールをすべて守る義務があります。

2022年の法改正により、規制対象が「200g以上」から「100g以上」へと一気に厳格化されました。必ずご自身の機体の重量を確認してください。

第2章:飛ばす前に絶対に必要な2つの準備

「100g以上のドローン」をお持ちの場合、いきなり外で飛ばすのは違法です。
公道を走る車にナンバープレートが必要なように、国への登録が義務付けられています。

📝
① 機体の登録(DIPS2.0への登録)
国土交通省のシステムを通じて、所有者情報や機体番号を国に登録します。発行された「JU」から始まる登録記号を、機体の見やすい場所にシール等で表示しなければなりません。未登録で飛ばすと、1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
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② リモートID機能の搭載
飛行中、「この機体の登録番号は〇〇です」という識別信号をBluetooth等で周囲に発信し続ける機能(空飛ぶ電子ナンバープレート)です。最近の機種には内蔵されていますが、古い機種は外付け機器の購入が必要です。

第3章:ここだけは押さえて!「飛ばしてはいけない場所」

機体登録が終わっても、どこでも飛ばせるわけではありません。
航空法では、以下の4つのエリアを「原則飛行禁止空域」と定めており、飛ばすには国土交通大臣の「許可」が必要です。

🏙️ 人口集中地区(DID)
人が多く住むエリア。松山市の場合、中心部から住宅街の大部分が該当します。「自宅の庭でも」無許可で飛ばせば即違法です。
✈️ 空港等の周辺空域
航空機の安全を守るため、空港周辺は厳しく制限されます。松山空港の周辺エリアは特に注意が必要です。
☁️ 150m以上の高さ
ドクターヘリやセスナ機などと接触する危険があるため、地表や水面から150m以上高く飛ばすことは禁止されています。
🚨 緊急用務空域
火災や災害発生時、警察や消防のヘリが活動するために国が突発的に指定するエリア。指定されたら全ドローンが飛行不可になります。

第4章:要注意!「やってはいけない飛ばし方」

「田舎の山奥だからDID地区じゃない。これで自由に飛ばせるぞ!」と思った方、実はまだ罠があります。
航空法は場所だけでなく、「飛ばし方(飛行方法)」についても6つの禁止ルールを定めており、行う場合は「承認」が必要です。

  • ⚠️ ① 人や建物から「30m未満」の距離での飛行(★最も多い違反)
    ドローンと、自分以外の「第三者」や「第三者の建物・車」との間に30m以上の距離を保つルール。「自分の家の屋根を見る」場合でも、隣の家から30m離れていなければ承認が必要です。
  • 📱 ② 目視外飛行
    機体を直接肉眼で見ず、スマホや送信機のモニター映像だけを見て操縦することは禁止です。
  • 🌃 ③ 夜間飛行
    飛ばせるのは日出から日没まで。綺麗な夜景や花火を空撮したい場合は、事前の承認が必須です。
  • 🎪 ④ イベント会場の上空飛行
    お祭りやコンサートなど、多数の人が集まる場所の上空は、墜落時の大惨事を防ぐため禁止されています。
  • 📦 ⑤ 危険物の輸送 / ⑥ 物件の投下
    火薬やガソリン等の輸送、およびドローンから物を落とす(農薬散布も含む)ことは禁止です。

第5章:もし違反したら?重い罰則と航空法以外の法律

「どうせ誰も見てないし、ちょっとくらい破ってもバレないでしょ」という軽い気持ちは禁物です。

ドローンの飛行音は大きく、上空の物体は非常に目立ちます。不安に思った近隣住民の110番通報で警察が駆けつけるケースは日常茶飯事です。
無許可で違反飛行をした場合、「50万円以下の罰金」という非常に重い刑事罰が待っています。

💡 航空法だけじゃない!その他の法律の壁
小型無人機等飛行禁止法: 国の重要施設や原発の周辺は飛行禁止(※100g未満のおもちゃも対象!)。
民法(土地所有権): 他人の土地の上空を無断で飛べば、所有権侵害やプライバシー侵害に問われる恐れあり。
自治体の条例: 愛媛県立公園や都市公園など、条例でドローンの持ち込み自体が禁止されている場所も多数あります。

第6章:規制をクリアするには「飛行許可・承認申請」が必要!

ここまで読んで怖くなってしまったかもしれませんが、これらのルールは「絶対に飛ばせない」わけではありません。
「安全対策を行い、事前に国(国土交通省)から『許可・承認』をもらえば飛ばしても良い」のです。

国土交通省の「DIPS2.0」というシステムを通じて、飛行の目的、経路、操縦者のスキル、安全対策の独自マニュアルなどを提出し審査に合格すれば、堂々とDID地区や30m未満での飛行が可能になります。

しかし、このDIPS2.0の申請手続きは専門用語が多く、初めての方が独学でやろうとすると、マニュアル作成などで何度も差し戻され、膨大な時間と労力を消費してしまうのが現実です。

面倒な手続きは「行政書士」にお任せください!

「せっかく買ったドローン、申請手続でつまずいてしまった」
「屋根点検など、業務でドローンを使いたいけれど、毎回許可を取る暇なんてない!」

そんな時は、国への許認可申請のプロフェッショナルである「行政書士」を頼ってください。
お客様に代わって複雑な飛行許可・承認申請(個別申請や、1年間全国で飛ばせる包括申請など)を迅速かつ正確に行います。

✨ 土地家屋調査士 × 行政書士 のダブルライセンスの強み
当事務所(KEY測量登記事務所・KEY行政書士事務所)は、私自身が実務現場でドローン測量を日常的に行っています。机上の法律論だけでなく、「実際の現場で、どのような許可を取っておけば最もスムーズに安全に業務ができるのか」という、実務に直結したアドバイスと申請代行が可能です。

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