【松山市の空き家対策】「未登記建物」を相続・売却・解体する際のリスクと対処法

松山市内でも年々増加している「空き家」問題。
ご両親から古い実家を相続したものの、誰も住む予定がなく、扱いに困っているというご相談が当事務所にも多く寄せられます。

そんな空き家の整理をしようとした矢先に発覚して慌てるのが、「建物が登記されていない(未登記建物だった)」というケースです。

昔建てられた離れや倉庫、あるいはご自身で増築した部分などは、法務局の登記簿に記載されていないことが多々あります。
「登記されていないなら、そのまま放っておいてもいいのでは?」と思われるかもしれませんが、いざ「売る」「壊す」「名義を変える」という行動を起こそうとした時に、この「未登記」が大きな壁となって立ちはだかります。

この記事では、土地家屋調査士が「未登記建物」にまつわるよくある勘違いを紐解き、目的別の正しい対処法を分かりやすく解説します。

🔍 うちの実家や納屋は未登記? 簡単な見分け方

毎年春に松山市役所から送られてくる「固定資産税の課税明細書」を見てください。家屋の欄にある「家屋番号」という項目が空欄になっていたり、「未」や「未登記」と書かれていたりする場合、その建物は法務局に登記されていません。

未登記建物に関する「3つのよくある勘違い」

未登記建物については、一般の方の間に多くの誤解があります。まずは正しい事実を知っておきましょう。

❌ 勘違い:「登記されていない=固定資産税は払わなくていいんでしょ?」
⭕️ 事 実:税金はしっかり課税されています。

法務局(国)の登記と、市役所(地方)の税金管理は別のシステムです。登記されていなくても、市役所の職員が航空写真や現地調査で建物を把握していれば、しっかり固定資産税は請求されています。

❌ 勘違い:「古い家だから、未登記のままでも売れるよね?」
⭕️ 事 実:原則として、そのままでは売却できません。

登記がないということは「誰の所有物か法的に証明できない」状態です。買主は所有権を移転できず、銀行の住宅ローンも絶対に通りません。売却前には必ず登記が必要です。

❌ 勘違い:「未登記建物を壊したら、法務局で『滅失登記』をしないと罰金になる?」
⭕️ 事 実:未登記なら法務局への手続きは不要です。

もともと登記簿に存在しないので、法務局で消す手続き(建物滅失登記)はできません。ただし、代わりに松山市役所(税務課)へ届出をしないと、翌年も税金が請求されてしまう可能性があります。

【目的別】未登記建物をどうする? 解決シナリオ

では、実際に未登記の空き家をどうしたいかによって、取るべき手続きが変わってきます。ご自身の目的に合ったシナリオをご確認ください。

🏠 パターンA:中古住宅として「売却」したい場合

建物を残したまま第三者へ売却するには、まず「建物表題登記」「建物表題部変更登記」を行って登記簿を新規に作成・変更し、その後に所有権保存登記を行う必要があります。

建築当時の古い図面や、工事代金の領収書、固定資産税の納付書など「所有権を証明できる書類」をかき集める必要があるため、早めに土地家屋調査士へご相談ください。

🔨 パターンB:更地にしてから「売却・活用」したい(解体する場合)

建物が「完全に未登記」であれば、法務局への登記申請はせずに、そのまま解体してしまって構いません。解体後、松山市役所へ「家屋滅失届」を出せば完了です。

【要注意】 母屋(メインの家)は登記されていて、増築した部分や離れだけが未登記の場合、解体後に母屋の「建物滅失登記」が必要になります。自己判断での売却は危険です。

👨‍👩‍👧 パターンC:先代の家をリフォームして「自分たちで住む・残す」場合

未登記のまま放置すると、将来お子さんたちが相続する際に「誰が建てた家か」の証明が難しくなり、トラブルの火種になります。
また、2024年からの相続登記義務化の流れもあり、今のうちに登記を済ませておくのがベストです。

「亡くなった祖父が建てた家だから、一度祖父の名義で登記をしてから自分へ相続登記をするの?(2度手間になる?)」と心配される方もいますが、その必要はありません。法律上、現在の所有者である『相続人』のお名前で、直接最初の登記(建物表題登記)を行うことができます。安心して専門家にお任せください。

まとめ:未登記建物の手続きは、歴史を遡る専門調査が必要

未登記建物の手続きが難しいのは、「いつ、誰が建てたのか」という過去の歴史を証明する書類(建築確認済証など)が紛失しているケースが大半だからです。

私たち土地家屋調査士は、現在の建物を正確に測量するだけでなく、役所の資料や過去の航空写真、固定資産税の評価証明書などをパズルのように組み合わせ、「法的に認められる所有権の証明書」を組み立てるプロフェッショナルです。

愛媛県松山市を中心とした四国圏内で「実家が未登記かもしれない」「空き家をどう処分すればいいか分からない」とお悩みの方は、悩んで時間を浪費してしまう前に、ぜひKEY測量登記事務所にご相談ください。建物の状況を調査し、お客様の目的に合わせた最短・最適な解決ルートをご提案いたします。